「ぎっくり腰」でつらいので・・・と来院された94歳の女性。問題がたっぷりです。

鍼灸マッサージ志都呂のSSKCハリマッサージ

2024年05月09日 14:48




前回に引き続き、高齢の患者さんのお話です。

問診の重要性を再確認させられた体験です。

昨日の朝に、「ぎっくり腰です、診て欲しい。」と予約電話が入りました。

この時期にぎっくり腰か。どこかに問題がありそうだな・・・。

などと想像しながら、いたのですが、

タクシーで来院されたのは、94歳の女性でした。

腰を丸めて痛そうにゆっくり歩いて入室されました。

問診を始めると、まず開口一番に、

「毎日とても忙しいのです。」と話が始まりました。

独身の息子さんと二人暮らしだが、家事一切を患者さんご本人がこなしているという。

大変な想いを抱いているんだと、気持ちに寄り添いながら腰痛について質問を始まめました。

問診のOPQRST(問診のお作法)に従って聞いていくと、

結論は慢性腰痛が酷くなったものです。

(自分で診断を付けて来院される方は、しばしば間違っていることがあります。)

体動時の発痛様式や部位、圧痛の位置を確認して、

L4/L5間の椎間関節が痛みを出していると判断しました。

鍼通電治療と超音波治療により、来院時の主訴であった痛みは軽減して、

背中もしっかり伸ばすことができるし、歩行もスムースになりました。

ところが、他の体動をしてもらうと、全く違う場所が痛いと言います。

今度のは神経症状です。

更に問診をすると、数年前に脊柱管狭窄症の診断をされていると初めて分かりました。

予定時間が終わり、今回の治療は、ここまでにしてまた来週来院していただくことにしました。

主訴となる痛みが除去されたのに、「なかなか良くならない。」と訴える患者さんがいます。

ご本人的には、治療者に伝えていない箇所の痛みまでは改善していないので、

ということらしいです。

こんな時は、かなり上手く問診をして探りださないと、

隠された問題を確認できないという現実に打ちのめされます。




関連記事